「カラコンってつけたまま寝ちゃだめなの?」
と普段からカラコン使っている人は気になりますよね。
少し仮眠したいときや、ついついカラコンをつけたまま寝てしまうことも多いものです。
この記事を監修した医者
記事監修:河本立徳先生 (眼科医) 金沢医科大学卒業。都内総合病院 眼科勤務。 診察後には来る前よりも少しでも笑顔で帰れるような丁寧な診察を心掛けてます。 見ただけで目の保養になる、そんな眼科医を目指してます。 河本立徳オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/t-komoto/
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、監修医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨している訳ではございません。
カラコンはつけたまま寝ても大丈夫?
結論から言うと、カラコンを装用したまま寝ては絶対にいけません。
なぜなら、次のような危険があるからです。
角膜が酸素不足になってしまう
目の角膜には血管がありません。
そのため、角膜が酸素を取り込むためには、涙を媒介して大気にある空気から酸素を吸収する必要があります。
しかし、カラコンを装用すると角膜がレンズで覆われ、角膜の表面にある涙がレンズで分断されてしまい、ほとんど呼吸ができない状態になってしまうのです。
角膜がそのような酸欠状態のまま寝てしまうと、目は瞬きをしないので余計に酸素不足を引き起こしてしまいます。
目に傷がついてしまう
カラコンをつけたまま寝ることで、角膜の表面の涙の交換がしづらくなると、目は乾きやすい状態に陥ります。
目だけではなくレンズも乾きやすくなり、レンズと角膜が擦れることで目に傷がつきやすくなってしまうので注意が必要です!
特に角膜は傷がつくとバリアが破綻して細菌が付着しやすくなります。
さまざまな目の病気の原因にもなりかねないのでとても危険です。
角膜内皮細胞が失われ視力が落ちる
角膜には、上皮細胞、実質細胞と内皮細胞で構成されており、視力の維持に関与しています。
何よりも恐ろしいのが、この内皮細胞は一度失われてしまうと再生することがないということです。
長時間の酸素不足が続くとこの内皮細胞は減少していき、角膜の透明性の維持が困難になり、角膜が白くなっていくことでどんどん視力が低下していってしまうのです・・・。
オシャレのために使っているカラコンが原因で目が悪くなるのは元も子もありません。
眼障害を引き起こす危険性も
カラコンを装用したまま寝てしまうと、次のような眼障害を引き起こす危険性も考えられます。
- 目の痛み・かゆみ・異物感
- ドライアイ
- アレルギー性結膜炎
- 白目の変色
- 白目が高く盛りあがる
- 目瞼があけられなくなる
失明してしまう可能性も
カラコンを装着したまま寝てしまい、眼障害が悪化してしまうと最悪の場合失明に至る可能性も考えられます。
中には自覚症状が出にくい眼障害があるというのも恐ろしいポイント。
カラコンをつけたまま寝るのは絶対に避けましょう!
カラコンをつけて30分や1時間の仮眠も危険
「危険なのは1日眠ってしまった場合でしょ?」
「30分や1時間くらいの短時間なら大丈夫でしょ!」
と、中にはそのように簡単に考えている方も多いと思います。
しかし、短時間の仮眠でもカラコンをつけたまま寝ると非常に危険です。
瞬きできないのが危険
本来、人の目は涙を媒介して取り入れることで目に栄養を与え、健康な状態やクリアな視界を保っています。
角膜に涙を潤わせるのに重要な役割を担っているのが“瞬き”です。瞬きをすることで、古い涙と新しい涙の入れ替えができるのです。
カラコンの装用中はただでさえ角膜がレンズで覆われるため酸素不足になりやすい状態なのに、そのまま寝てしまうと、大事な役割を担っている瞬きすらできないため、さらに酸素が不足してしまいます。
それでも寝たいときはどうすればいい?
カラコン装用中にどうしても眠くなって仮眠を取りたくなってしまった場合、必ずレンズを外してから寝ましょう。
コンタクトケースに液を入れて持ち歩いておくと便利です。
使い捨てのコンタクトケースであればコンビニなどでも販売されているので、こちらを利用するのもいいですね。
カラコンをつけたまま寝てしまった場合の対策
カラコンをしたまま寝るのは危険だとわかっていても、やむを得ない事情で眠ってしまった!ということがあるかもしれません。
その場合は、下記で紹介する対策を実践しましょう。
起きてすぐに目薬をつける
万が一カラコンを装用したまま眠ってしまった場合、起きたらすぐに目を潤してあげましょう。
起きたら目がかなり乾いていて、痛みを感じたり、目を開けるのに苦労してしまう恐れがあります。
とにかく一刻も早く目薬を点眼して目に潤いを与えてあげてください。
目に潤いが十分行き届いたら、カラコンを外しましょう。
無理矢理外そうとするのは危険
基本的にはすぐにカラコンは外した方がいいですが、乾燥したレンズは目にくっついていて、外す際に目に負担を与えてしまうことが多いです。
すぐに外した方がいいからといって無理矢理外そうとすると、眼球や角膜が傷付いたり、目の中でレンズが破れてしまったりする危険性があります。
上記で紹介した通り、目を潤してからレンズを外すようにしましょう。
焦ると無理矢理外したくなってしまいますが、冷静に慎重にレンズを扱うようにしてください。
どうしてもレンズが外れない場合は?
目薬をしてもレンズが外れない場合は、無理矢理外そうと何度もトライしていくうちに、レンズが破れてしまったり、角膜に傷がついてしまう原因となることもあるため、眼科の受診をお勧めします。
クリニックが閉まっている時間帯や深夜帯でも、緊急対応可能な眼科の施設をインターネットなどで探して、可能な限り早急に受診するようにしましょう。
目に違和感があったらすぐに眼科へ
- 目が痛くてあけられない
- レンズは取れたけど目の痛みが続いてる
- 目がゴロゴロする、違和感がある
そんな症状がある方は、すぐに眼科を受診しましょう。
ただし、レンズがどうしても取れずに眼科に行く場合は、視界が悪いことが多いので、誰かに付き添ってもらうのが賢明です。
また、受診の帰りはカラコンを付けずに帰ることと大抵はなるので、眼鏡も忘れずに持っていくようにしましょう。
レンズが目の中で消えた場合はどうしたらいい?
起きたらカラコンが目の中で消えた!そんなときは慌ててしまいがちですが、必ず目の中にはいるので焦らず鏡を手に持って目の中を確認しましょう。
このとき、目薬をさして眼球を上下左右に動かしながら見てみると見つけやすいです。
レンズが目の奥に行って取りづらい場合でも、眼球を動かすことでズレて取れやすい位置に来てくれます。
目の奥に行って取れなくなる・・・ということは絶対ないので安心してください。
落ち着いて対処することが重要ですが、どうしても自力で取れない場合は迷わず眼科を受診しましょう。
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カラコンをつけたまま寝ないための予防策
カラコンをつけたまま寝てしまう癖がある・・・という方は、次の2つの予防策を参考にしてみましょう。
家に帰ったらすぐにレンズを外す癖をつける
カラコンは度なしで使用している方だと、「ついついカラコンを装着していることを忘れていた」ということがあります。
そんなことがないよう、家に帰ったらすぐにレンズを外す癖をつけておくことが大切。
コンタクトケースを常に持ち歩く
万が一に備え、外出先などでも保存液を入れたコンタクトケースを持ち歩いておくことをお勧めします!
通勤時間が長い方は、移動中に仮眠をとる方も多いでしょう。
そうでなくても急に目の調子が悪くなってしまう可能性もありますし、何かあったときのためにコンタクトケースは常に持ち歩くようにしておくといいですよ。
コンタクトケースなら小さいしかさばらないので荷物が増える心配もありません。
最後に
カラコンを装用したままで寝てはいけない理由をお伝えしました。
万が一、外すのを忘れて寝てしまった場合は、適切な対処をしていくのが大事です。